若い人たちが電車の中で、スマホを縦に持ったまま何やら白熱している。あの画面の正体が、今日ご紹介する「#コンパス【戦闘摂理解析システム】」かもしれません。2016年配信、レビューは10万件を超え、いまだに現役という対戦ゲームの古豪です。
対戦ゲームと聞くと身構えてしまう世代ですが、調べてみると「1試合3分」という、せっかちな現代人にやさしい作りでした。大人の目線で、良いところも難しいところも正直にご紹介します。

どんなゲーム? 3人1組の陣取り合戦
遊びのルールをひとことで言えば、昔ながらの陣取りです。3人対3人に分かれて、フィールドにある拠点を取り合い、長く押さえていた方が勝ち。撃ち合いの腕前よりも、どこを取り、どこを守るかの判断が大事になっています。
将棋の駒のように役割分担があって、突っ込む人、守る人、走り回る人が力を合わせて3分間を戦います。運動会の騎馬戦を思い浮かべると、当たらずとも遠からずです。

1試合3分という発明
このゲームの一番の発明は、勝負が3分きっかりで終わることです。囲碁や将棋のように長考する時間はなく、カップ麺を待つ間に1試合が済んでしまう。負けても悔しさを引きずる間もなく次が始まるので、対戦ゲーム特有のぎすぎすした空気が薄いのです。
時間に追われる大人でも、寝る前に2〜3試合だけ、という付き合い方が現実にできます。この手軽さは、対戦ゲームの印象を変えてくれました。

キャラクターがとにかく華やか
登場するヒーローたちは、ニコニコ動画で活躍する絵描きさんがデザインし、人気の作曲家がテーマ曲を作り、有名声優が声を当てるという豪華な布陣です。キャラクターごとに専用の歌が付いていて、その子を選ぶと試合中にその曲が流れます。
孫やお子さんの世代には、このキャラクターと音楽こそが本体なのだそうです。なるほど、確かにどの子も見栄えがして、曲もしっかり耳に残ります。

カード集めの楽しみもある
戦いで使う技は、カードを4枚選んで組む仕組みです。攻める札、守る札、回復の札。手持ちのカードから自分なりの組み合わせを考えるのは、トランプの手札を整えるような楽しさがあります。
反射神経に自信がなくても、この「準備の工夫」で勝負できる余地があるのは、大人にはありがたい設計です。

1日の付き合い方
1試合きっかり3分ですから、時間の融通は思いのままです。夕食の後片付けのあとに3試合やっても10分足らず。アプリの容量も約283MBと軽く、古めのスマホでも入ります。
ただしリアルタイムの対戦ですから、通信の安定した場所で遊ぶのが基本です。電波の悪い場所での参戦は、仲間にも迷惑がかかってしまいます。
序盤の進め方
始めたら、最初は練習モードでじっくり操作を覚えて、それから本番の対戦に出るのが安心です。序盤の心得はただひとつ、敵を深追いしないこと。このゲームは相手を倒した数ではなく、拠点を守った時間で勝敗が決まります。自分の持ち場を守るだけで、チームの役に立てます。
難しい技も派手な活躍も要りません。地道な留守番がチームの勝利につながるあたり、どこか人生と似ています。
世界観は「バトルするSNS」
物語の舞台は、戦いを通じて交流するSNSという近未来の世界です。難しい設定は覚えなくても遊べますが、要するに「短い勝負を挟んで人とつながる場所」ということ。3分で試合が終わり、相手が毎回入れ替わる遊び心地と、この設定は妙に噛み合っています。
実際、ゲームの外でも攻略を語り合ったり、絵を描いて盛り上がったりという交流の文化が育っています。ゲームというより、ひとつの町内会のような賑わいです。
若い世代との会話の橋になる
このゲームのもうひとつの効用は、若い世代との共通の話題になることです。10年近く続いているタイトルですから、いま社会人の若者が学生時代に遊んでいた、という思い出のゲームでもあります。「実はコンパスやってるの」と打ち明ければ、目を丸くされつつも会話が弾むはずです。
一緒に組んで戦えば、なお良し。3分だけ孫や子どもと同じ土俵に立てるゲームは、なかなか貴重です。
音楽と一緒に戦うという新鮮さ
キャラクターごとの専用曲が試合中に流れる仕組みは、遊んでみると想像以上に効いてきます。自分の選んだ子の歌に背中を押されながら3分間を駆け抜けるのは、応援歌付きの徒競走のようなもの。試合が終わる頃には、曲を口ずさんでいる自分に気づきます。
ニコニコ動画の作曲家さんたちの曲はどれも勢いがあって、若い文化に疎い私でも素直に格好いいと思えました。食わず嫌いはもったいない水準です。
観る楽しみから入るのもあり
いきなり対戦に飛び込むのが怖ければ、動画サイトで上手な人の試合を眺めてみるのも良い入り口です。3分で1本の動画ですから、続けて何試合分も観られます。ルールも立ち回りも、観ているうちに自然と頭に入ってきます。
お相撲もまず観るところから始まるものです。観て、覚えて、それから土俵に上がる。この順番なら、初戦の戸惑いはだいぶ減ります。
課金まわりの正直なところ
課金は新しいヒーローやカードの獲得が中心です。無料でも遊びはきちんと成立しますが、長く続けている人との持ち物の差は正直に言ってあります。勝ち負けにこだわり始めると、ガチャの誘惑と向き合うことになります。
大人の遊び方としては、勝敗より「3分の気晴らし」と割り切るのが健全です。それなら無料の範囲で十分楽しめます。
気になった点も正直に
正直に書きます。第一に、10年物のゲームですから、相手は歴戦の強者だらけ。最初はこてんぱんにされます。第二に、画面のボタンや情報が多く、覚えることは少なくありません。第三に、対人戦が根本ですから、負けが込む日はそれなりに凹みます。
それでも、1敗の痛手がたった3分で済むのは大きな救いです。授業料の安い道場だと思えば、気楽に通えます。
こんな人にちょうどいい
- 子どもや若い人が夢中なゲームの正体を知りたい人
- 1回3分なら対戦ゲームを試してみてもいい人
- 綺麗な絵と音楽につられてゲームを選ぶタイプの人
- 長続きしているものには理由があると考える人
まとめ:3分だけ、若者の土俵に立ってみる
#コンパスは、対戦ゲームの熱さを3分に詰め込み、華やかなキャラクターと音楽で包んだ、若い世代の社交場です。大人が今から王者を目指すのは正直茨の道ですが、「あの騒ぎの正体を知る」目的なら、これほど手頃な入り口はありません。私のおすすめ度は★3つ(5点満点)です。まずは気楽に練習モードから、若者たちが夢中になっている3分間の世界を覗いてみてください。