宇宙戦艦や銀河を旅する物語に、胸を熱くした時代はありませんでしたか。今日ご紹介する「スター ハンター – インフィニット ラグランジュ」は、自分の艦隊を持って銀河を生きる、本格派の宇宙ストラテジーです。2021年配信、App Storeの評価は4.4。対象年齢17歳以上という、大人向けの骨太な一作です。
先に申し上げておくと、これは気軽なゲームではありません。ですが、じっくり付き合う趣味を探している方には、これほど深い世界もなかなかないのです。正直にご紹介します。

どんなゲーム? 銀河で自分の船団を持つ
物語の舞台は、大きな星間戦争が終わったあとの銀河です。プレイヤーは「スターハンター」と呼ばれる開拓者のひとりとして、宇宙に基地を構え、資源を掘り、艦隊を少しずつ育てながら、自分なりの生き方でこの広い銀河を渡っていきます。
敵を倒して面をクリアしていく類のゲームではなく、広い宇宙のどこかで自分の暮らしを営んでいく感覚。例えるなら、銀河を舞台にした開拓農園のようなものです。

まず見てほしい、宇宙の絵の凄み
このゲームの画面は、スマホゲームの水準を明らかに超えています。巨大な母艦の脇を小さな駆逐艦が通り過ぎ、星々を背に艦隊が静かに進んでいく。昔テレビや映画館で観た宇宙艦隊の名場面が、自分の指の下で動くのです。
ゲームがお好きでない方でも、この画面を眺める時間には価値があると思います。プラネタリウムに近い癒しがあります。

艦隊を育てる、模型趣味のような喜び
戦力の中心は、設計図から造る艦船たちです。小回りの利く駆逐艦、頼れる巡洋艦、勇ましい戦闘機。一隻ずつ生産して、武装を選び、編成を組む。この過程は、プラモデルを一つずつ組み上げていく喜びによく似ています。
自分の手で完成させた艦隊が初めて出港していく時の誇らしさは、格別のものです。歳を重ねてからのほうが、この手の「持ち物を慈しむ」楽しみは沁みます。

時間がゆっくり流れるゲーム
このゲームでは、艦を造るのにも、艦隊が移動するのにも、現実の時間がかかります。指示を出したら、あとは待つ。朝に出した艦隊の帰りを、夜に確かめる。せっかちなゲームに疲れた身には、この待つ時間がむしろ心地よいのです。
盆栽に水をやるように、朝と晩に10分ずつ様子を見に行く。それがこのゲームとの正しい付き合いの姿勢です。四六時中スマホに張り付く必要は全くありません。

序盤の進め方
始めたら、案内に沿って基地を育て、資源の採掘を軌道に乗せることが最初の仕事です。戦いを急ぐ必要はありません。まずは自分の経済圏をこつこつ確立するのが、この世界の堅実な生き方です。
少し慣れてきたら、同盟という仲間の集まりに入るのがおすすめです。攻められた時に守ってもらえますし、分からないことを気軽に聞ける頼れる先輩もできます。
仲間と挑む大作戦という醍醐味
このゲームの一番の見せ場は、同盟の仲間たち数百人と挑む大規模作戦です。巨大な宇宙ステーションを皆の力で攻略していく様子は、さながら壮大な祭りのよう。自分は片隅の小さな持ち場を守るだけでも、歴史的な戦いに参加した気分をたっぷり味わえます。
もっとも、そこまで行かずとも、自分の基地と艦隊を静かに育てるだけで十分楽しめます。参加の深さは自分で選べますから、ご安心を。
音と静けさの贅沢
このゲームは音も上等です。宇宙の静けさの中に、艦のエンジン音や基地の機械音が控えめに響く。にぎやかな効果音で急かしてくる作りではなく、深夜のドキュメンタリー番組のような落ち着きがあります。
夜、家族が寝静まった後にイヤホンで眺める銀河は格別です。眠る前の読書の代わりに、艦隊の帰りを待つ。そんな夜の過ごし方が似合います。
SF好きの教養が活きる世界
星間条約、勢力間の駆け引き、辺境の開拓。この世界の設定は、SF小説を読んできた人ほど楽しめる作りになっています。若い頃に読んだ宇宙ものの記憶が、そのままこの銀河を深く味わう下地になるのです。
ゲームはまるで初めてでも、SFの教養なら大先輩。そういう方にこそ、ぜひ入ってきてほしい世界だと思います。
注意点:これは「重い」ゲームです
正直に書いておきます。第一に、アプリの容量は約2.7GBと大きく、スマホの性能もそれなりに要ります。第二に、専門用語や覚えることが多く、慣れるまでに数日はかかります。第三に、他のプレイヤーに襲われることもある世界ですから、のんき一辺倒ではいられません。
また、17歳以上対象の作品です。お子さんやお孫さんに勧める類のゲームではなく、あくまで大人の趣味としてどうぞ。
家族に画面を見せたくなる
このゲームを遊んでいると、つい家族に画面を見せたくなります。「ほら見てごらん、これがうちの艦隊だよ」と。孫の代には伝わらなくても、同世代の連れ合いには案外しみじみ通じるものです。宇宙ものの話題は、世代の共通言語ですから。
居間のテレビで宇宙のドキュメンタリー番組を観るのと同じ棚に、このゲームは自然と並びます。趣味としての品の良さがあるのです。
長く続いている安心感
2021年の配信から5年、手入れと更新が続いている現役のゲームです。じっくり育てる遊びだからこそ、この「店が長く続いている」という事実は大事な安心材料。急に畳まれる心配の少ない、老舗の趣味の店です。
焦らず、人と比べず、自分の銀河をこつこつ耕す。そういう長い付き合いを何年も続けられる土壌が、ここにはあります。
課金まわりの正直なところ
課金は開発を早める仕組みが中心です。競い合いのあるゲームなので課金した人が有利なのは確かですが、個人の艦隊規模に上限がある作りで、際限のないお金の勝負にはなりにくくなっています。
のんびり自分の営みを楽しむ分には、無課金でも成立します。順位を追わず、暮らしを楽しむ。大人にはそのほうが性に合うと思います。
こんな人にちょうどいい
- SF小説や宇宙もののドラマ・映画が昔から好きな人
- 盆栽や模型のように、じっくり育てる趣味が性に合う人
- せわしないゲームより、ゆったりした時間の流れが好きな人
- プラモデルや艦船のメカが好きだった(好きな)人
まとめ:老後の趣味は銀河開拓、という選択
インフィニット ラグランジュは、宇宙への憧れを持ち続けてきた大人のための、重厚な趣味の世界です。覚えることは多く、時間の流れもゆっくりですが、だからこそ長く深く付き合えます。美しい銀河のかたすみで自分の船団を静かに育てていく日々は、読書や模型作りと並べて語れる、上等な大人の道楽です。私のおすすめ度は★3つ(5点満点)。万人向けではありませんが、刺さる方には唯一無二だと思います。