スマホのゲームがここまで「観られる」ものになったのかと、正直に驚きました。「ゼンレスゾーンゼロ」は、原神で知られるHoYoverseの都市アクションRPGです。2024年配信、App Storeのレビューは26,000件超、評価はおよそ4.3。謎の超常災害に見舞われた近未来都市を舞台に、映画一本分の質感で作り込まれた大作です。
正直に言えば、スマホにはかなり重量級の一本です。それでも大人の夜のご褒美時間として薦めたい理由を、今回は公式画像5枚とともに、いつも通り正直にご紹介していきます。

どんなゲーム? 洒落た街で、依頼をこなす
舞台は、ホロウという災害に脅かされながらも活気を失わない街・新エリー都。プレイヤーは「プロキシ」と呼ばれる案内人として、個性豊かなエージェントたちと共に危険地帯の依頼をこなしていきます。
兄妹でレコード店を営む日常と、依頼で危険地帯へ潜る非日常。この二つを行き来する構成が、物語に生活の体温を与えています。ゲームを進めるというより、良質な連続ドラマの主人公になっていく感覚です。

アクションは爽快、でも優しい
戦闘は3人の仲間を切り替えながら戦うリアルタイムアクションです。敵の攻撃に合わせてタイミングよく仲間へ繋ぐと華麗な連携が決まる作りで、それが決まった瞬間の爽快感は格別です。操作自体はシンプルで、アクションが得意でない方への支援機能も用意されています。
難しさで初心者を門前払いする作りではなく、少しずつ上手くなっていく喜びが丁寧に設計されています。週末ごとに少しずつ腕が上がっていく実感は、大人の習い事に少し似ています。

音楽と街の空気が、とにかく良い
本作の白眉は、画面と音楽の洒落っぷりです。レコード店にラーメン屋、路地裏のゲームセンター。どこか懐かしくて新しい街並みに、ジャンルを横断する極上のBGMが流れる。メニュー画面ひとつ開くだけで気分が上がる作りは、そうそうあるものではありません。
疲れた夜にこの街をただ散歩するだけでも、値段以上(無料ですが)の価値があります。イヤホンでどうぞ。

キャラクターたちの魅力
共に戦うエージェントたちは、ケモノの姿をした紳士から凄腕のメイド、はみ出し者の刑事まで、実に振り幅の広い顔ぶれです。日々の掛け合いはコミカルで、シリアスな本筋との緩急のつけ方も巧み。アニメ級の演出で描かれる彼らの物語は、追いかける価値があります。
推しの一人が見つかると、操作の手にも自然と熱が入ります。キャラクターと一緒に上達していく感覚が、この作品の長く遊べる理由です。

1日の付き合い方
日課は15〜20分ほどですが、本作の真価は週末などのまとまった時間にあります。物語と探索をじっくり進める「ゼンレスの夜」を週に一度だけ作る。そんな映画鑑賞型の付き合い方が似合う作品です。
配信から2年が経ち、コンテンツは十分に蓄積されています。今から始めても読む物語には困りませんし、復刻や配布も手厚い時期です。
序盤の進め方
始めたら、メインストーリーに沿って操作と世界に慣れましょう。序盤は難易度が穏やかで、チュートリアルも丁寧です。育成はメインで使う3人に絞って資源を集中させるのが基本です。
ガチャには天井の仕組みがあるので、欲しいキャラクターの登場に合わせて石を貯めるのが定石。配布のキャラクターだけでも本編の物語は十分に楽しめます。
日常パートの温度
戦い以外の時間も、この作品は豊かです。営んでいるレコード店にひょっこり常連客が訪ねてきたり、街の住人たちの頼まれごとを引き受けたり。ゲームセンターで昔ながらのミニゲームに興じることもできます。
こうした寄り道の時間の積み重ねが、新エリー都という街を「通う場所」にしてくれます。物語の合間に挟まる何気ない日常こそ、この作品のいちばんの贅沢かもしれません。
映像美という体験
キャラクターの仕草、街のネオン、戦闘の決めポーズ。画面のどこを切り取っても絵になる作り込みは、スマホゲームの常識を一段超えています。ゲームをしない家族が横から画面を覗いて「それ映画?」と聞いてくる、という類の話が実際に起こる水準です。
その分の端末負荷はありますが、対応する端末をお持ちなら、一度はこの映像を体験する価値があります。
課金まわりの正直なところ
基本無料で、課金はキャラクターと武器のガチャが中心です。対人要素がないため、課金を急かされる圧はありません。物語を楽しむ分には無課金で十分、課金は推しへの応援という位置付けです。
手を出すなら月額系のパックが最も効率的です。財布のルールを最初に決めて、あとはゆっくりどうぞ。
大人にとっての遊び方の提案
この作品は、毎日こつこつ型のゲームとは付き合い方が違います。おすすめは、週に一度の「上映日」を決めることです。金曜の夜、家事をすっかり終えてからイヤホンをつけ、2時間だけ新エリー都へ出かける。映画のサブスクをひとつ増やす感覚です。
日課に追われない設計なので、忙しい週はアプリを開かなくても置いていかれません。この余裕のある距離感が、大人が長く続けられる秘訣です。
ホヨバース作品との関係
同じ会社の原神やスターレイルを遊んだ方なら、丁寧な作りの信頼はそのままに、より都会的でテンポの良い作風と思っていただければ近いです。逆に本作が初めてのホヨバース作品でも、予備知識は一切不要です。
どの作品も独立した物語ですので、雰囲気の好みで選んで大丈夫です。街とアクションが好きなら、本作が入り口として最適だと思います。
気になった点も正直に
ひとつ目は、端末への要求の高さです。容量は約4GB、描画の負荷も大きく、古いスマホでは画質と発熱に悩まされます。ふたつ目は、会話や街の移動のテンポがゆったりめで、さくさく進めたい方には少しまどろっこしく感じられること。みっつ目は、本気で遊べば遊ぶほど時間が溶けていく魅力そのものです。
ダウンロードはWi-Fi環境で、ストレージの空きを確保してから迎え入れてください。
こんな人にちょうどいい
- 週末の夜に、映画のような濃い時間をゲームで過ごしたい人
- 操作の上達をゆっくり楽しめるアクション好きの人
- おしゃれな音楽と街の空気に浸るのが好きな人
- 新しめの性能の良いスマホをお持ちの人
まとめ:週末の夜の、上質なご褒美に
ゼンレスゾーンゼロは、アクションの快感と都市の空気を最高級の質感で束ねた、スマホゲームの到達点のひとつです。毎日せわしなく消化するより、週末の夜にイヤホンをつけて、この街へゆっくり出かけていく。そんな上質なご褒美時間の過ごし方が似合います。端末の空き容量と静かな時間だけ準備して、新エリー都の夜へどうぞ。私のおすすめ度は★4つ(5点満点)です。