列車に乗って知らない土地を旅するゲーム、と聞いただけで心が動く方は、きっと私だけではないと思います。今回ご紹介する「レゾナンス:無限号列車」は、GameDuchyが2024年10月に配信を開始した、鉄道を舞台にした少し珍しいシミュレーションRPGです。App Storeのレビューは7,500件超で評価はおよそ4.6と、静かに高い支持を集めています。
プレイヤーは「コロンバ商会」に所属する車掌として、自分の列車「エターナル号」で荒廃した世界を走り、貿易と街づくりで地域をつないでいきます。カードRPGの戦闘と、商売の算段と、そして鉄道の旅情。この三つが一台の列車に同居する不思議な作品を、今回は公式画像6枚とともに、じっくりご紹介していきます。

どんなゲーム? 車掌として、世界をつなぐ
本作の主役は、プレイヤーが車掌として操る一台の列車「エターナル号」です。荒廃した世界に点在する街々を鉄道で結び、積み荷を運び、途絶えていた人々の暮らしを少しずつ立て直していく。戦闘だけを繰り返す一般的なスマホRPGとは、遊びの手触りがはっきり違います。
街に到着したら市場で特産の商品を安く仕入れ、次の街まで運んで高く売り、利ざやを稼ぐ。どの街で何が安く、どこで高く売れるのかを覚えていく過程は、昔の交易ゲームの楽しさそのものです。この「商売の算段」が本作の背骨で、戦闘はむしろ道中のスパイスという位置づけです。

列車の旅情。窓の外を眺める時間
本作を特別なものにしているのは、移動そのものが楽しいことです。エターナル号が線路を走る間、車窓には荒野や街の風景が流れていきます。目的地に着くまでのこのゆったりした時間が、結果を急がせるせわしないスマホゲームの中で、妙に贅沢に感じられるのです。
車内には旅の途中で個性豊かな乗客たちが乗り込んできて、彼らとの出会いと別れの物語が旅路に彩りを添えます。列車という閉じた空間で人間模様が動いていく構成は、鉄道ミステリーや旅情ものが好きな方にはたまらないはずです。

戦闘はカード式。ほどよい歯ごたえ
道中では、列車を狙う敵とのバトルが発生します。戦闘はカードゲームとシミュレーションRPGを組み合わせた形式で、手札に並んだ仲間たちのスキルカードをどの順番で切っていくかを考える、ほどよく頭を使う作りです。反射神経は要求されないので、じっくり考えたい大人にはむしろ快適です。
共に戦う仲間には、異なる陣営から集まった個性豊かな面々が揃っていて、パーティ編成の組み合わせで戦い方が大きく変わります。育成もRPGとして標準的な仕組みが揃っており、交易で稼いだ資金が強化に回る循環が、経営と戦闘をきれいにつないでいます。

街づくりと拠点の成長
交易で足しげく通った街には投資ができるようになり、街を発展させると市場の品揃えや相場も変わっていきます。自分が走った軌跡がそのまま世界の復興として形に残っていく感覚は、このゲームならではの確かな手応えです。どの地域から立て直すか、路線図を眺めながら考える時間も楽しい。
エターナル号そのものも改造・拡張の対象で、車両を強化して積載量や設備を伸ばしていきます。列車が育つ、という体験はなかなか他で味わえません。自分の城が線路の上を走っているようなものです。

音と美術。旅情の半分は音でできている
BGMは旅の場面ごとに表情を変える叙情的な曲が揃っていて、走行中の車内に流れる穏やかな音楽は、本作の旅情の半分を担っていると言っていいほどです。汽笛や線路の走行音といった環境音も丁寧で、イヤホンで遊ぶと夜汽車に揺られている気分になります。
キャラクターや街の美術も、荒廃した世界にわずかな温かみを残した色使いで統一されています。華美ではないけれど眺めていて心地よい、大人の鑑賞にきちんと耐える画面作りです。
乗客たちの物語がもうひとつの本体
道中で出会う乗客たちには、それぞれ事情と物語があります。彼らの依頼をひとつずつこなし、絆を深めていくと、その人物の個別エピソードが解放されていく。荒廃した世界を生きる人々の悲喜こもごもが、列車という舞台装置の上で丁寧に描かれます。
戦闘の仲間としての性能だけでなく、一人の登場人物として愛着が持てる作りなので、「誰を乗せて旅をするか」を考える時間も楽しみのうちです。読みものとしての満足度も、価格(無料)を考えればかなりのものです。
1日の付き合い方と課金のはなし
毎日の日課は、交易の周回と育成コンテンツの消化でだいたい20分ほどです。オートや時短の快適機能も一通り揃っているので、忙しい日はさっと軽く流せます。交易の最適ルートを考え始めると時間が溶けるタイプのゲームなので、むしろ夢中になりすぎる方を心配してください。
基本無料で、課金はキャラクターのガチャと成長パックが中心です。ソロ主体の設計なので課金圧は緩やかで、無課金でも物語と交易は最後まで楽しめます。おトクパックの提示はありますが、この手のゲームとしては控えめな部類だと感じました。

気になった点も正直に
ひとつ目は、覚えるべきことが序盤にぎゅっと集中していることです。交易、戦闘、街づくり、列車の改造と、システムの入口が次々に開くので、最初の数日は情報量に少し圧倒されます。焦らず、交易の基本ループだけ掴めば、あとは自然に身についていきます。
ふたつ目は、海外開発の作品らしく、翻訳の日本語にところどころ硬さがあることです。物語の没入を壊すほどではありませんが、旅情を大事にする作品だけに、もう一段の磨き込みを期待したいところです。また、更新のペースは大作ほど頻繁ではないので、コンテンツを最速で走り切るタイプの人には物足りない時期があるかもしれません。
こんな人にちょうどいい
- 鉄道や旅の空気に、理屈抜きで心が動く人
- 戦闘一辺倒ではなく、経営や街づくりの要素も楽しみたい人
- 「積み荷を安く買って高く売る」商売の算段が好きな人
- ありふれたスマホRPGに少し飽きてきた人
まとめ:スマホの中に、夜汽車の時間を
レゾナンス:無限号列車は、戦闘の強さ比べから少し離れて、旅と商売と復興の物語をゆっくり味わう作品です。車窓を眺め、乗客と語らい、次の街の相場に思いを巡らせる。このゆったりした時間の流れ方は、慌ただしいゲームに疲れた大人にこそ染みると思います。評価4.6という数字は、同じ旅情を愛する人たちの静かな支持でしょう。ありがたいことに、切符は無料です。エターナル号の車掌室から、夕暮れの荒野の景色を眺めてみてください。私のおすすめ度は★4つ(5点満点)です。