ペストが蔓延する終末の村で、あなたはくちばしのマスクをつけたペスト医師となり、最後の病院を経営する。今日ご紹介する「ラストアサイラム:プレイグ」は、そんな一風変わった題材の病院経営ゲームです。2026年3月配信、App Storeの評価は4.6、レビューは8,700件と、新作ながら評判は上々です。
なんとも物騒な設定に見えますが、中身は診察・調薬・建設を丁寧にやりくりする、実に真っ当な経営シミュレーションです。大人の目線で正直にご紹介します。

どんなゲーム? 最後の病院を切り盛りする
物語の舞台は、突如として発生したペストに呑み込まれてしまった村です。医療は崩壊し、治安も崩れ、あろうことかネズミの大群まで迫っています。プレイヤーはドクターとして、患者の診察、薬の調合、病棟の拡張、警備の指揮までを一手に担い、生存者たちの秩序を建て直していきます。
要するに、崩壊した世界でゼロから病院をつくり直す経営ゲームです。診察の予約から病室の管理まで、やることは実に病院らしい。

「診て、作って、治す」の心地よい流れ
患者ひとりひとりの症状を診断し、必要な薬を調合し、治療して元気に送り出す。この一連の流れが本作の背骨です。治した患者が村の働き手として戻り、村が育つとまた病院も豊かになる。人を治すことがそのまま復興につながる循環は、遊んでいて素直に気持ちの良いものです。
経営ゲームの「数字が伸びる喜び」に、「人を救う手応え」が重なっている。この味付けが本作の個性です。

ネズミの大群を防ぐ守りの戦い
病院の経営だけでなく、いつ襲ってくるか分からないネズミの大群から病院と村を守る、タワーディフェンスの戦いも待っています。英雄たちを育てて配置し、防衛線を敷く。経営でこつこつ育てた資産を、守りの采配で試される構成です。
将棋の駒組みを考えるような落ち着いた頭脳戦で、素早い指の操作は一切要りません。経営と防衛、二種類の頭を交互に使う楽しさがあります。

ペスト医師という題材の妙
くちばし型の独特なマスクをつけたペスト医師は、中世ヨーロッパに実在した歴史上の存在です。不気味なようで、どこか物悲しく、絵になる。この題材選びのセンスが、よくある経営ゲームとの差別化になっています。
画面の雰囲気も、暗くなりすぎず、どこか絵本の挿絵のような味わいにまとめられていて、怖いものが苦手な方でも大丈夫な塩梅になっています。

1日の付き合い方
毎日の日課は、病院の中をひと回りしての様子見と、生産や建設の指示出しで15分ほど。建設や研究は現実の時間で進んでいくので、指示を出したらアプリを閉じて、あとでまた様子を見に来るリズムです。
アプリの容量は約640MBと手頃な大きさで、端末への負担も控えめです。ダウンロードはWi-Fi環境でどうぞ。
序盤の進め方
最初は画面の案内に沿って、診察の流れと調薬の仕組みをゆっくり覚えましょう。患者を治すほど村が育っていくので、序盤は治療を最優先に回すのが堅実な進め方です。
ネズミへの防衛の備えは、警告が出てから慌てて整えるのではなく、余裕のあるうちに少しずつ。病院経営と同じで、備えあれば憂いなしです。
段取り上手が輝くゲーム
診察の順番、薬の在庫、病室の空き、防衛の備え。このゲームで求められるのは、要するに家庭を回すのと同じ段取りの力です。限られた資源で優先順位をつけ、先回りして備える。日々の暮らしで鍛えたやりくりの腕が、そのまま名医の腕になります。
ゲームの経験値よりも、生活の経験値がものを言う。そういう意味で、大人にこそ向いた頭脳戦です。
復興していく村を眺める喜び
患者を治し続けると、荒れ果てていた村に少しずつ人が戻り、営みが再開されていきます。壊れたものが直っていく過程を眺めるのは、人間の根源的な喜びのひとつ。ビフォーアフター番組が長年愛されるのと同じ理屈です。
自分の医術が村を生き返らせたという実感は、数字の伸びとはまた別の、じんわりした満足を残してくれます。
物語の静かな読み応え
崩壊した世界で、それでも人を治すことを選ぶ医師の物語には、静かな品があります。生存者たちの事情に耳を傾け、ひとりずつ診ていく過程で、この村の人間模様が立ち上がってくる。派手さはありませんが、大人の鑑賞に耐える語り口です。
終末ものの小説や映画がお好きな方なら、この世界の空気はきっと肌に合います。
課金まわりの正直なところ
課金は建設や研究を早める加速の仕組みが中心です。時間をかければ無課金でもきちんと進む作りで、対人競争の圧力も強くありません。じっくり派の方なら、お財布の心配は小さい部類です。
経営ゲームというものは、待つ時間も味のうちです。急がず焦らず、村の復興をゆっくり眺めるのがおすすめです。
英雄たちとの出会いと育成
物語が進むと、村には個性豊かな英雄たちが次々と集まってきて、防衛の要として、また病院の頼れる働き手として力を貸してくれます。誰を育て、どこに配置するか。この人事の采配も、経営者としての腕の見せどころです。
荒廃した世界にわざわざ集ってくる者たちには、それぞれに抱えた事情と物語がある。彼らの顔ぶれが増えていくことも、村の復興の実感につながります。
評価4.6という新作らしからぬ数字
配信からわずか半年でレビュー8,700件、評価4.6という成績は、新作としてはかなりの好発進です。奇抜な題材が話題を呼んだだけでなく、経営の中身がきちんと作られている証拠でしょう。話題先行の一発屋とは、数字の安定感が違います。
勢いのある新作を、界隈が盛り上がっている時期に触れておくのも、ゲームの楽しみのひとつです。
気になった点も正直に
正直に書いておきます。第一に、2026年3月配信の新しいゲームですから、長期運営の実績はこれから積まれる段階です。第二に、病気や終末という題材そのものが苦手な方には向きません。第三に、翻訳の言い回しに時折こなれない部分があります。
いずれも承知の上で始めれば、大きな障りにはならない範囲だと思います。
こんな人にちょうどいい
- お店や施設の経営を切り盛りするゲームが好きな人
- 段取りとやりくりの頭脳戦に自信がある人
- ちょっと変わった題材のゲームを試したい人
- 守りを固めるタワーディフェンスが好きな人
まとめ:人を治すことが、世界を治すこと
ラストアサイラム:プレイグは、終末という一風変わった舞台で「治す・作る・守る」を丁寧に束ねた、手応えのある経営ゲームです。評価4.6という数字も納得の完成度でした。日々の段取りとやりくりに覚えのある方なら、きっとこの崩壊した村の名医になれるはずです。私のおすすめ度は★4つ(5点満点)。まずは最初の患者さんの診察から、どうぞ。