あなたが三国志に初めて出会ったのは、いつだったでしょうか。吉川英治の小説か、横山光輝の漫画か、それとも人形劇か。「率土之濱-大三国志」は、あの乱世に自分の席をひとつもらえる、2017年配信の本格三国志ストラテジーです。世界で約1億人が遊んできたNetEaseの大看板で、日本でもレビュー17,000件超、評価4.3を保っています。
300人を超える名将たちを麾下に集め、知略の限りを尽くして中原の覇を競う。正直に言えば大人の本気を要求してくる硬派なゲームですが、だからこそ、ここでしか得られないものがあります。今回は公式画像6枚とともに、いつも通り正直にご紹介していきます。

どんなゲーム? 城主として乱世を生きる
プレイヤーは東漢末年の小さな城主です。城の内政で国力をこつこつ育て、武将を集めて部隊を編成し、広大な中原の大地で少しずつ領土を広げていきます。全プレイヤーが同じ地図を共有しているので、この地図の向こうには常に生身の人間がいます。
行軍や建設には現実の時間が流れる、ゆったりした進行です。普段の操作は朝晩の指示出しが基本で、忙しい日々とも両立できます。

知っている名前が、次々と麾下に
劉備、曹操、呂布に趙雲。読み親しんだ英雄たちが、美麗な武将絵とともに家臣団へ加わっていきます。300人超という層の厚さは本家の貫禄で、有名どころだけでなく「この武将を拾ってくるか」という渋い人選も歴史好きの心をくすぐります。
武将たちに戦法を覚えさせて自分だけの編成を組み上げる楽しみには、将棋の駒組みに似た奥深さがあります。読んできた三国志の知識が、そのまま編成のひらめきになる瞬間は格別です。

画面の向こうの人間と、知恵比べ
本作の醍醐味は、同盟に入って仲間と共に戦うことです。攻め時を仲間と相談し、前線への補給を分担し、時には他の同盟と外交まで行う。相手も味方も生身の人間ですから、そこで生まれる駆け引きと友情の濃度は、一人用ゲームの比ではありません。
年齢も肩書も見えない戦場で、知恵と働きだけで一目置かれていく。この感覚は、大人になってからなかなか味わえないものです。

地形と季節を読む、本物の采配
戦場には山河の地形があり、季節と天気が移ろいます。雨の日のぬかるむ進軍、山道での待ち伏せ、冬場の苦しい兵站。地の利を読んで勝つ設計は、三国志の物語で読んだ「あの采配」を自分の手で再現する楽しさがあります。
力押しが通じない世界ですので、じっくり考えることが好きな方ほど水が合います。

1日の付き合い方
日課は朝晩の指示出しで合わせて20〜30分ほど。ただし同盟の大きな戦の期間は、夜の作戦時間に参加できるかどうかで充実度が変わります。趣味の将棋会や句会に定期的に顔を出す、くらいの心づもりが必要です。
シーズン制で数ヶ月ごとに仕切り直しがあるので、いつ始めても次の区切りから本番に参加できます。

序盤の進め方
始めたら、案内に沿って内政と土地の開拓を進め、資源の基盤を作りましょう。焦って無理な戦を仕掛けないことが、序盤の何よりの鉄則です。そして早めに、雰囲気の合う同盟に入れてもらってください。分からないことを教えてくれる先輩がいるだけで、このゲームの難しさは半分になります。
編成はまず定番の型を真似るところから。分からないことは同盟で聞けば、皆さん驚くほど親切に教えてくれます。
歴史の景色を旅する楽しみ
フル3D化された中原の大地は、季節と天気で表情を変えます。春の野をゆっくり進軍し、雪の峠で兵を休ませ、雨の夜にひっそりと城を囲む。物語で読んだ風景の中を自分の部隊が行軍していく画は、それだけで歴史好きへのご褒美です。
BGMも中華史劇らしい風格のある楽曲で、夜更けの采配時間をしっとり支えてくれます。
シーズンという区切りの効能
数ヶ月単位のシーズンが終わると、戦況は仕切り直しになります。ひとつの区切りごとに達成感と反省が自然と生まれ、燃え尽きてしまう前に一息つける。この呼吸のリズムが、長く続けられる秘訣になっています。
シーズンの終わりに同盟の仲間たちと交わす労いの言葉は、この遊びのいちばん人間らしい瞬間かもしれません。
課金まわりの正直なところ
課金は武将ガチャが中心で、強い武将の有無は編成の幅に影響します。ただし本作の勝敗は、編成の研究と同盟への貢献度に大きく左右されるため、課金が浅くても頭と誠実さで居場所を作れます。
まずは無課金で1シーズン。肌に合うと分かってから、月額系の小さな課金を検討するのが健全な順番です。
頭の錆び落としとして
編成を考え、地形を読み、相手の出方を予想する。本作の日々は、頭の普段使わない場所を静かに動かしてくれます。詰将棋やクロスワードパズルがお好きな方なら、この「考えること自体が楽しい」という感覚に覚えがあるはずです。
しかも盤の向こうの相手は生きた人間ですから、正解が毎回変わります。何歳になっても学びの尽きない遊びというのは、実はとても貴重なものです。
孤独にならない一人時間
不思議なもので、このゲームの一人時間は孤独ではありません。夜、ひとりで地図を眺めて策を練っていても、その策は明日の仲間との作戦につながっています。ひとりの時間と、人とつながる時間が、ゆるやかに地続きなのです。
賑やかすぎる付き合いは少し疲れる、でも完全な一人遊びは味気ない。そんな大人のわがままに、ちょうど良く応えてくれる距離感です。
気になった点も正直に
ひとつ目は、正直に言って敷居が高いことです。覚えるべき仕組みが多く、編成の研究にはそれなりの調べ物も必要で、気楽な暇つぶしを求める方には重すぎます。ふたつ目は、同盟の活動に時間を合わせる場面があること。みっつ目は、9年続く作品ゆえに古参との経験差が確かにあることです。
三国志への愛と、学ぶことを楽しめる気質。この二つがあるかどうかで、この作品は宝物にも重荷にもなります。
こんな人にちょうどいい
- 三国志の小説やドラマに読みふけった経験のある人
- 腰を据えた頭脳戦を趣味のひとつに加えたい人
- 人と協力する遊びの濃さを求めている人
- 本物志向の老舗ゲームを一度覗いてみたい人
まとめ:読んできた三国志を、生きてみる
率土之濱-大三国志は、書棚の三国志を「読むもの」から「生きるもの」に変えてくれる、本物志向のストラテジーです。敷居の高さは否定しませんが、その坂を一歩ずつ登った先には、知略と人情の入り混じった乱世の景色が本当に広がっています。少年少女の日に読んだあの英雄たちと、今度は同じ地図の上で相見える。そんな誘い文句に少しでも胸が鳴った方は、覗いてみる価値があります。私のおすすめ度は★3つ(5点満点)です。